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特集:口腔介護ステーション「のあ」

4月から開設した「のあ」のスタッフ、松岡さん(左)と南原さん(右)
第3回「入れ歯があるかどうかも分からない施設の方が多いんです。」

編:やはり食べてない方の方がお口の中の状態が良くないんですか。

南原:自浄作用というのが起きなくて。例えば、脳がご飯を食べていないことを感知して、ご飯を食べないんだったらつばも出さなくていいんじゃないかとか、消化液を出さなくていいんじゃないんだろうかって、使われないものを排除しようとするんです。体ってそんなふうです。昔よく尾てい骨がね、人間はしっぽがあったって言われていて使わなくなったからなくなってきて、今は尾てい骨が残っているって言うじゃないですか。架空の話かもしれないですけど。そういう感じで脳は、使わなくなったものは、排除するようなんですよね。食べていないと、きれいにする作用がなくなって。そういうことに気付いて、それで亡くなる方ってすごく多いことが分ったんです。そこから始めてみようと。

編:亡くなってしまうっていうのは、やはり誤嚥性肺炎が原因で・・・。

南原:発熱がずっとつづくようですと病院では「ああ、病気だからこの人はしかたないな」って言われていたみたいなんですけれど、その原因がじつは口の中のバイ菌で、それが肺に入って肺炎をおこしてずっと熱が出ている状態だったんです。あともうひとつ大事なことは、さっきも見ていただいたんですけど、障害の有るかたっていうのが結構。あのかたたちは自分で手を使ってハミガキができないんですよ。あるかたは、手がこういうふうになってしまっていて、口に手が行かないので自分で磨けないんです。でも、すごいしっかりしているんですよ。口でなんでもやるしかないので、車椅子なんかも電動にしてもらっていて、電動の車椅子を口でレバーを動かして、外出したりします。あと口や歯を使ってパソコンを動かしたり、それが一つの手段になるんですよね。口を使ってすることしかできないんですよね。口でパソコンを打つとか、カメラで写真を撮るとか、機械を設置することも全部、口や頭を使うんです。首から下はほとんど動かないですから・・・。そうすると歯が大切になってくるんですけど、そのケアが今の施設では解らないし、できないんですね。そこのところをお手伝いするんです。

編:その、できないということは、どういったところに原因があるんですか?

南原:全身のことをやっているじゃないですか・・・。体拭いてあげたりだとか、たばこ吸いたいって言ったら吸わせてあげて、その人はできないから。1人に対して担当の方がいるかもしれないですけど、その担当の介護さんが時間的に忙しかったり、そういう知識がないというかたが多いんですけども、やっぱりそこまでは出来ないという状態が。旭川の中では、まあ旭川というか、全般にそういった認識が少ないので。勉強しようということで、私たちにそういった勉強会を依頼してくださるので、勉強会を開いたりもするんですけれど、やっぱり実際に患者さんにそこまでの専門的なケアを出来るかというとやはり無理です。

松岡:入れ歯があるかどうかも分からない施設の方が多いんです。

南原:それだけ口腔に関しては、すごい遅れているんだけども、口腔はそれだけ大事だっ
ていう重要性が少し認識不足なので、なかなかそこまでいかなくて、そこの部分を私たちは専門なので、重要性をアプローチして、出来ない部分は先生がやるということで。そういうことを考えて、これを専門にやっていこうと考えています。

編:施設をまわるんですか?

南原:施設と病院とあとお家の人も。

編:在宅介護を受けている方も?

南原:はい。

次回は、彼女たちがこの「口腔介護」を考え始めたきっかけなど。お楽しみに


第1回「高齢者の肺炎で亡くなられる方の70%が『誤嚥性肺炎』なんです。」

第2回「食べてない患者さんの方がすごく状態が悪いというふうに思ったんです。」

第3回「入れ歯があるかどうかも分からない施設の方が多いんです。」

第4回「『やってみよう』という先生は、旭川では少なかったんですよ。」

第5回「熱いほうがいいじゃないですか(笑)」

番外編「コンビで漫才系の歯科衛生士を目指しています。(笑)」


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